ソ連の戦車が気になる
ここ何年か旧ソ連の戦車大好きマンなのですが、 Objetct.279を作って以降はソ連の「バリエーションあふれる」(=妙な形の)戦車に興味しんしんで、今回は 多砲塔戦車のT-28中戦車 に行ってみました。 多砲塔戦車と言えば同時代(1930年年代後半)のT-35重戦車が一番有名ですが、このT-28も多砲塔戦車としては生産台数が一番だったりします。
まあ、T-35 は Zvezdaの1/72が手に入らなかったので、ひとまずAmazonでも在庫豊富でお安くなっていたトランぺッター 1/72 T-28 を買ったというのが実情です。
Object.279 の記事はこちら↓
memobun.hatenablog.com
組み立て
このプラモ、パーツはパチピタなので流し込み接着剤さえあれば、非常にストレスなく組み立てられます。
流し込み接着剤、マジ有能。
一通り組み立てました。
茶色い成型色のパーツは、履帯とすべての転輪・起動輪・誘導輪が一体成型されており、戦車の一番面倒なところをすっ飛ばすことができ、めっちゃ楽です。
ディテールもばっちりです。
主砲塔。
主砲塔だけで7.62mm DT機関銃が3基。ハッチ上の機銃のディテールを見よ。17mm程度の全長の中に、弾倉、照準器のほか、引き金までも見て取れます。
ちょっとだけディテールアップ。
ハッチの取っ手を0.3mm真鍮線にしました(右の矢印)。
マフラーと排気口も、排気口に穴が開いていなかったり上部のカバーが一体になってたりして割と目立つところなのですが(左の矢印)、今回はここには手を加えずサクサク組むことを優先しました。
ちなみに下の写真のようにマフラーのカバーはかなりペラペラだったようなので(まあT-28は装甲全体が薄いんですが)、やるとすれば真鍮板を曲げて作るのかなあ。
塗装
ここからは塗装です。
VICカラー 4BOグリーン[WWⅡソ連戦車]
塗料はこいつのために新しく買ったVICカラーの 4BOグリーン[WWⅡソ連戦車] を使います。 Object.279で使ったアーマーグリーン[現用露軍] と比べると、やや青みがかっており、彩度も少し高め。
4BOグリーンは水性ホビーカラーやタミヤアクリルには無かったのでこれ幸いと2020年夏ごろに買ったのですが、その後2020年11月に本命の水性ホビーカラーから発売されてました! しかも 【H511】ロシアングリーン"4BO"WWⅡ と【H512 】ロシアングリーン"4BO"1947- の2本も。 これは買って比べてみたいところです。
ちなみに、ホビコムのこちらの記事によるとT-28が生産、運用された1930年代後半のロシアングリーンはもっと濃いダークグリーンだったようです。 タミヤのXF-61 や、GSIクレオスのガルパン特色 プラウダ ダークグリーンが近いのかな。
筆塗り開始
ソ連戦車は最高に錆色が似合うので、下地にオキサイドレッドのサフを吹いてから筆塗り開始。
ふおお色が乗らねえ。
手前の車体上面は一度塗り、奥の足回りは2度塗りです。 水で少し薄めているからというのもありますが、相変わらずこの最初に色が乗らない感じは苦笑い。 塗り重ねれば発色は良いことは分かっているので、気にせず何度か塗っていきます。
3度塗りか4度塗り。
いい感じになってきました。
履帯のほか、転輪の周囲がゴムなので黒く塗っていきます。
履帯はいつものようにタミヤアクリル履帯色、ゴム部分はタミヤのラバーブラックだとくっきりしなさそうだったので、セミグロスブラックにしました。
ふおお塗りにくい。
履帯と転輪が一体成型なので組み立ては楽ですが、この小さめの上下の転輪の周囲だけ塗るのはなかなか至難の業。 面相筆を狭い空間に差し込んで塗っていきます。
しかし、T-28の転輪には罠があって、
なんと、12個の下部転輪のうち4個だけはゴム被覆が無いのです。 よくよく見るとパーツの形状(円周部分の厚み)も違っているという…! 気付いたのは全部の転輪の周囲を黒くしてからだったので、この部分は 塗り直し でした…。
このサイトにあるT-28の設計図(↓)を見ると一目瞭然ですね。
下部転輪のほか、上部転輪、そして誘導輪も周囲が黒くなっていることからゴムで覆われていたようです。
(ちなみにこれは1936年製造のもの。プラモ自体は)
ちなみにこのサイト RKKA in World War II、めっちゃ有用です。 車体後部のラジエーター部のカバーの取っ手の形状から、このプラモが1937年~1940年の生産型ということが分かりました。 ロシアの人すごい。
筆塗り完了
だいたい塗装完了の状態です。
ちなみに転輪の塗り直し前です。
ウェザリング
デカールと墨入れ
デカールを貼って、一部墨入れ開始の状態です。 赤いラインと赤い星が大変良い。 VICカラーは半ツヤで塗膜も強そうなので、クリアーでコートせずにウェザリングに入りましたが特に問題なしでした。
Mr.ウェザリングカラーでウォッシング
Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンで全身をウォッシング。 全体に錆っぽい赤みが入って、一気にいい感じに色が落ち着きました。 最初はタミヤのスミ入れ塗料ブラックで墨入れしたんですが、ウェザリングカラーの方がグラデーションや色なじみの具合がよく、使いやすく感じますね。
ここでようやく砲塔周囲のフレームアンテナを取り付けることにします。 こんな感じで位置決めして、流し込み接着剤で接着しました。 こういう細かくて位置決めしにくい接着は瞬間接着剤の出番でしたが、速乾タイプの流し込み接着剤であればこういう接着も十分こなせます。
仕上げ
さらにもう少しウェザリングを進めました。
砲塔側面などに雨だれを表現。 ステインブラウンを薄く縦に塗ってから、境界をボカシました。 履帯や足回りは泥汚れをピグメントを溶剤で溶いて塗りつけています。 GSIクレオスのウェザリングパステルセットを、ウェザリングカラー薄め液で溶かしたんだったかな。
マフラーは錆まみれでざらざらした感じにしたかったので、ウェザリングカラーのステインブラウンを厚く重ね塗りし、濡れているうちにタミヤ ウェザリングマスターの アカサビ を削って粉を振りかけてみました。 OVMも木の柄を塗り分け、金属部分は鉛筆です。 そのほか、ウェザリングマスター 緑で軽くドライブラシをかけています。
これで完成です。 完成ギャラリーは次回です。