完成写真ギャラリー
前回製作したウォルターソンズジャパンの「モデルキット999シリーズ」の1/72 10式戦車、完成しました。
- 完成写真ギャラリー
- アオシマ、フジミのキットと並べてみる
- こまごまと細部
- 砲塔の回転軸
- ヘッドライト、ウインカー、履帯
- リヤ
- 滑り止め
- ウォルターソンズジャパン 1/72 10式戦車の総評
- 締め:タミヤ1/48とのショット
- データ
「1戦-1」は第一戦車大隊(第一中隊)を表します。
「∞」の形に結わえてある牽引ロープが無いです。 なんでこれが省略されてるんだろう。
※よく見ないでください。履帯が切れたままです…!
アオシマ、フジミのキットと並べてみる
3つのメーカーの10式を並べてみました。
中央がウォルターソンズジャパン、左がアオシマ、右がフジミです。
フォルムはウオルターソンズジャパンが一番立体的に見えて私の好みです。
フジミのキットがちょい平べったいですね。
塗装はどれもタミヤアクリルの同じ色なのですが、ウォルターソンズジャパンの色味は濃くて茶色いです。
半ツヤのトップコートとブラウンのウォッシングが理由ですね。
ウォルターソンズジャパンのキットは2020年発売と新しく、フジミは量産型として2013年発売のキット、アオシマは2018年の発売です。 フジミは業界最速のキット化となった試作車が2011年発売なので、もう10年前ですね。 一般公開からかなりの早さでのキット化で、フジミの努力が伺えます。
こまごまと細部
ここからはたぶんこのblogくらいしか気にしない(笑)細部をちまちまと比べていきます。
砲塔上部
丸いハッチは車長用ハッチです。
開いた状態で作成し、ハッチ裏側に開閉レバー「っぽいもの」でディテールアップしました。
まあ実機とはちょっと似てないのですが、作り直すのも面倒なのでこのままです。
ハッチ裏側は実車に合わせてオリーブドラブ、キューポラ周囲の円形のレールや機銃台のローラー、M2重機関銃は黒の上に鉛筆でガンメタルにしています。
フィギュアを乗せるつもりでハッチオープンにしたのですが、結局フィギュアは塗装してないので、穴だけぽかっと開いてちょっと間抜け感ある(笑。
その左の四角いのは車長用サイト(視察照準装置)。
今回一番形状に手を加えた部分です。
キットのままだと単なる「潜望鏡」みたいでショボかったのですが、ふた回りほど大型化してかなり実物に近いフォルムになったと思います。
ボルトや取っ手の再現まではしてないですが、ガラス部分にはホログラムフィルムを貼ってます。
向かって右の四角いハッチは砲手用ハッチです。
これも深く考えずにオープン状態にして、ハッチ裏の「レバーっぽいもの」を追加してみたのですが、実物とはだいぶ異なります…。
ちなみにその手前の砲手用ペリスコープにもホログラムフィルム貼ってみました。
アオシマ、フジミとの比較
違いの目立つ車長用サイトを比較してみました。 左からウォルターソンズジャパン、アオシマ、フジミです。 左下はウオルターソンズジャパンの素のキット、下真ん中は実物写真です。 アオシマの再現度が高いです。 形状だけでなく、ボルトや取っ手もモールドがあります。
砲塔後部バスケット、アンテナ、環境センサ
砲塔後部の荷物用バスケット、すごいのはこれが1パーツからできているところです。 (どうやって金型を抜いているんだ)。 箱組み不要で砲塔への取り付けも位置がビシッと決まり、組み立てやすさは素晴らしいです。 さすがに中の仕切りは1枚板になっていたり、中央のステーが省略されていたりしますが、雰囲気は十分です。
砲塔後端の筒は環境センサで、これは前方に倒して収納することができるのですが、そのガードが再現されていないです。
左右のアンテナは0.3mm真鍮線に替えて長くしています。
アオシマ、フジミとの比較
アオシマの砲塔後部バスケットはメッシュのエッチングパーツ付き。 中央のステーもあり、素晴らしい再現度です。 ただし仕切りの左側の狭いところに箱型のエッチングパーツを入れるのは、なかなか至難の業です。
砲塔後部の環境センサのガード部品が再現されています。 また、アンテナ基部のガードがエッチングパーツになっています(微妙に実車と形状が違うけど)。
フジミの砲塔後部バスケットはメッシュこそ無いものの、各フレームの形状は良く再現されています。 ただし箱組みが必要で、少し手こずります。
環境センサのガードもあるほか、環境センサの銘板がデカールで再現されています。
砲塔の回転軸
実はフジミの1/72 10式では砲塔の回転軸が実車と異なっており、砲塔を回転させると違和感が出てしまいます。 ウォルターソンズジャパンの10式ではどうでしょうか。
実車と比べても問題なさそうです。
アオシマ、フジミとの比較
左からアオシマ、ウォルターソンズジャパン、フジミです。 アオシマとウォルターソンズジャパンはやや前方寄りの回転軸ですが、フジミは車体中央に回転軸があります。
その結果…
フジミの10式は砲塔が回転させると、砲塔が前の方(右のほう)に飛び出しているのが分かると思います。 くさび形装甲ブロック1つ分くらいですかね。
ヘッドライト、ウインカー、履帯
ヘッドライトはライトガードの金網がモールドで表現されていますが、上下車体の貼り合わせ部分なのでバッキリ合わせ目が出ています。 ここは合わせ目消しをする気が起こらず、そのままです。
左右のウィンカーはガードの鉄棒と一体で1パーツになっていますが、思いのほか違和感がないです。
履帯はTPE樹脂です。 右が緩んでるのは、切れたまま撮影したからです。 すみません…。
左がアオシマ、右がフジミです。
アオシマはヘッドライトの金網がエッチングパーツで再現されているのが最高です。 このためにアオシマを買ってもいいくらい。 その分、金網パーツの曲げ角度と、瞬間接着剤での位置決めは神経を使います。 (ちなみにプラパーツも同梱されています) フジミは金網はありません。かえってライトの存在感があっていさぎよいです。 ライトは透明部品に替えています。
ウィンカーは、アオシマはガードの鉄棒がぶっといです。 ここは真鍮線を曲げてディテールアップした方がいいポイントかも。 フジミは繊細で、とてもいい塩梅です。
アオシマの履帯はきれいに再現されています。
フジミのは若干細身。なんか写真がホコリだらけ…。
フジミはゴムパッドのパーツも付いています。両側で200個くらいのパーツを接着する必要があり、到底作る気は起きませんが(笑)
ちなみに、ゴム製のマッドガードはアオシマのみ形状が異なります。
アオシマはC1~C3仕様(2014年までの調達仕様)で、他はC4仕様~(2015年以降)の形状です。
リヤ
アオシマ、フジミとの比較
左からアオシマ、ウォルターソンズジャパン、フジミです。 牽引ロープがないのがウォルターソンズジャパン。 そのほか違いは、左右の正方形の排気口のスリットのあり無しくらいでしょうか。
滑り止め
砲塔上部、車体上部に四角いモールドがたくさんありますが、これは滑り止めシートを表現しています。 こいつはかなり効いていて、ち密さ、情報密度がぐっと上がります。 ドライブラシをすることでいい感じの存在感になりました。
アオシマ、フジミとの比較
アオシマ(左)、フジミ(右)とも滑り止めシートのモールドはないです。 無くても1/72としては全然問題ないですが、ウォルターソンズジャパンと並べるとなんだか物足りない感があります。
ちなみにこの角度だとフジミの砲塔が車体中央に回転軸があるのがよく分かります。
ちなみにタミヤ1/48ではこんな感じです。
ウォルターソンズジャパン 1/72 10式戦車の総評
ウォルターソンズジャパンの10式は、結論としてかなり良いです。 アオシマ、フジミと比べてももちろん細部は劣るとこはありますが、 ちょっと興味を持ったらサクッと買って作って、満足度も高いでしょう。
ウォルターソンズジャパンの10式のいいところ
- 値段が安い。1000円。
- パーツ少なめで作りやすい。
- にもかかわらずプロポーションよく、滑り止めをはじめとしたモールドが細かく、ち密さを感じられる。
- 車長用サイト、ヘッドライト部分の合わせ目など妥協すべき点はある。
アオシマの10式のいいところ
フジミの10式のいいところ
- (2021年4月現在)2両セット、エッチングパーツ付きのキットになっている。
- モールドが繊細。
- デカールいっぱい。
- 今となっては他社のキットに比べるとちょっとプロポーションが平べったく、砲塔の回転軸がずれてるなど少し弱点はある。
締め:タミヤ1/48とのショット
タミヤ 1/48と並べてみました。 そういえばタミヤの記事も書かなくちゃだな…。
タミヤ1/48とナナニー3兄弟。
データ
製作データ
参考
10式のディテールを見たいときはこれが最高です。
- 作者:俊明, 浪江
- 発売日: 2017/07/31
- メディア: 大型本