とある節目があったので、記念のつもりでちょっといい腕時計を買いました。
グランドセイコー の SBGX267です。
時計が趣味というわけではないものの雑誌やカタログを眺める程度には好きなので、 実際に購入するまであれこれと半年以上いろいろ調べたり比べたりしてました。 それがなかなか楽しかったので、せっかくなのでその過程を記録しておきます。
そうだ時計買おう
半年ほど前に、
仕事のスーツに合わせられて、フォーマルな場でも身に付けられる、なんなら葬式でもOKで、手のかからない、派手過ぎず主張しすぎない、今後20~30年は使い続けられる、でも分かる人にはちょっといい時計を着けていることが分かるような時計を買うことにしました。
機械式かクォーツか問題
高級時計といえば機械式みたいな空気もありますが、自分はクォーツ式の時計を探すことにしました。
いろいろな高級ウォッチブランドがクォーツ式を出していますが、クォーツ式そのものの品質を高めて昇華させているのは、グランドセイコーとザ・シチズン、あとはブライトリングくらいじゃないでしょうか。
※グランドセイコーもシチズンも最近は機械式高級時計に力を入れている感あります。
とするとグランドセイコーが良さげです。 なお、クォーツ式にこだわった理由は以下こんな感じです。
数日着けなくても平気
クォーツ式は電池のある限り、3年くらいは放っておいても動きます。 なので数日くらい着けなくても気にしなくてよいというのが理由その1です。
新型コロナ禍ですっかり在宅ワークが主体となり、腕時計を着用するのは週に2~3日という生活になりました。 そうすると機械式だとパワーリザーブ70時間だったりするので、次に使いたいときには止まってることになりそうです。 外出前にいちいち巻いたり時刻を合わせたりする生活はちょっと無理そうだし、自動巻き用にワインディングマシーンを買うのも本末転倒な気がします。
ちなみにこれまで使っていた時計はシチズンのエコドライブ+電波時計のモデルですが、最近は室内に1週間くらい置いておくとバッテリー切れになることがありました。 これまで10数年のあいだ電池交換も時刻合わせも不要、ついでにデュラテクト加工で傷もつかないという、マジでメンテナンスフリーなめちゃくちゃ優秀な時計だったことのですが、さすがにソーラー発電かバッテリーがヘタってきたのかもしれません。
年差10秒の世界
グランドセイコーのクォーツ式は 年差10秒の世界 です。対して機械式時計は日差で何秒の世界です。 グランドセイコーであれば、時刻ずれは年に1回気にすれば十分です。
これは気が楽です。
むしろ1年後に時刻ずれがどのくらいになるか計測するのが楽しみなレベルです。
ちなみにグランドセイコーは限定モデルに年差5秒のものもありますが、ザ・シチズンでは年差1秒などというとんでもないものがあります。
つまるところ手がかからない
「機械式時計は常にぜんまいの巻きと時刻ずれを気にしなければならない。オーバーホールも数年に一度。
ソーラー発電や電波時計は電池交換や時刻合わせが要らないけど、窓際に置く必要があり、止まると面倒くさい。
普通のクォーツ式なら、2~3年ごとの電池交換は必要だけど、逆に言えばその間は気にしなくてよい。10年ごとにオーバーホールすれば、20~30年は使えそう」
あとは秒針の動きとか、気に入った時計で満足感が得られれば、手のかからないクォーツ式でOK、むしろ望ましい!という結論になりました。
ザ・シチズンでもいいじゃん問題
クォーツ式のグランドセイコーに傾き始めたのですが、 精度と機能だけで言えば、正直なところグランドセイコーよりライバルのザ・シチズンの方が上 だと思います。
ザ・シチズンのいいところ。
- 年差5秒、なんなら年差1秒もある。
- パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)である。グランドセイコーは小さい月「にしむくさむらい」には手でカレンダーを修正する必要がある。
- 表面効果技術デュラテクトはマジですごい。傷がつかない。
対してグランドセイコーを選んだ理由はこんなところです。
- 文字盤(ダイアル)がきれい。特にSBGA211の雪白(ゆきしろ)のテクスチャは素晴らしいです。
- インデックス、針の仕上げの美しさ。キラッキラです。
- ヘリテージコレクションのシンプルで統一性のあるデザイン。
- そしてグランドセイコーのブランド。持ってて嬉しい。
グランドセイコーにすることに決めて、あとはどのモデルにするかです。
機種選定、文字盤白か黒か問題
グランドセイコーは非常に種類が多く、さらに似たようなモデルがいっぱいです。
ヘリテージコレクションのクォーツ式のラインナップ、ほぼ間違い探しです。
自分は半年あれこれ見てたので鍛わったおかげで区別がつくようになりましたが、黒文字盤のSBGP011とSBGP003、SBGN013、SBGX261の違いとか、初見で分かる人はいないんじゃないですかね…。
※記事の末尾に解説を用意しました。
そんななか、自分の欲しいグランドセイコーはこのような条件を満たすものです。
- オーソドックスなデザインのヘリテージコレクション。
- ケース径40mmは大きすぎるので、37mm。
- カレンダー付き3針のシンプルなもの。GMTも夜光塗装も要らない。
- 金属ブレスレット。革ベルトだけで運用するのはキツイ。
- 白か黒の文字盤。
最も迷ったのは白か黒の文字盤どちらにするかです。
【白文字盤】 → かしこまった場でもOK。年をとっても長く使えそう。逆に年寄りくさいかも。今まで黒っぽい文字盤だったので気分を変えたい。
【黒文字盤】 → 引き締まってかっこいい。黒の革ベルトに合わせるのが超かっこいい。少し若さを感じる(主観)
結局、店頭で現物見るまで白か黒は迷っていました。
比較したモデル
SBGX259
ツヤを抑えた、平らで真っ白の文字盤が特長のSBGX259です。 最も安価で最もベーシックであり、それゆえ大定番で後悔のないグランドセイコーです。
ほぼこれにしようと思って実際にお店に見に行ったのですが、2021年後半頃にまさかの生産終了となり、お店に行った時にはすでに店頭在庫もなくなってしまいました。 新品で売っていればこれを買っていたかもしれないです。 ちなみに革ベルトでほぼ同じようなSBGX295というモデルは現在もラインアップにありますが、革ベルトなんですよね…。
SBGX261
白のSBGX259に対して、このSBGX261は大定番のグランドセイコーの黒文字盤バージョンです。 余分な装飾が一切ないマットな黒の文字盤で、それがかえって針とインデックスの立体感と輝きを引き立てています。 黒文字盤を黒の革ベルトに付け替えるとかなりかっこよさそうで、 店頭で最後まで迷ったのはこのSBGX261 でした。 今でも欲しいです。
これはSBGX259と違い、2022年3月時点でまだ販売中です。 税込253,000円。
SBGX075(限定モデル)
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— GINZA RASIN|銀座ラシン (@ginzarasin) 2021年5月3日
グランドセイコー50周年記念限定モデルとして2010年に500本限定で販売されたものです。 2010年なのでトップがSEIKOロゴの時代です。 3時位置のゴールドの獅子のエンブレム、青い秒針、年差5秒を表す6時位置のスターと盛りだくさんですが、なかでも白に近いシルバーのざらっとした文字盤が超かっこいいです。
超かっこいいんですが、中古でもプレミア価格なので手が出ません。 新品時は300,000円+税だったようですが、2022年3月時点の中古相場はなんと50万円前後です。
SBGX103(限定モデル)
SBGX103、これも限定モデルです。 9F62ムーブメントの20周年記念というもので、2013年発売で限定2000本。 これもSEIKOロゴ時代であり、年差5秒の6時位置スターがついています。
白い文字盤に青い秒針と青いロゴがこれまたかっこいいのですが、ひし形と獅子の凝った文字盤の装飾が特長で、角度によってはかなりこの模様がくっきりわかるようです。 さらに細かい違いとして、ブレスレットが3連ではなく5連となり、中央左右の2本は鏡面仕上げとなっていてきらびやかさがアップしています。
発売時は300,000円+税で、現在の中古価格もそのくらいです。 レビュー記事をいくつかリンクしておきます。
- グランドセイコー SBGX103 レビュー SEIKOといえばクオーツだろ(QZ)
- Grand Seiko Quartz SBGX103 9F 20th Anniversary Limited Edition - Review | WatchUSeek Watch Forums
SBGX267(チタン)
今回購入した時計はこれ。
SBGX267です。
「ブライトチタン」のケースとブレスレットで、79gと軽いことが特長です。 チタンはステンレスと比べてわずかに赤味と暗さがあり、人によっては好まない人もいますが、グランドセイコーのブライトチタンはかなり明るい色になっており、自分は気にならないです。
文字盤はシルバーがかった白で、縦長のひし形の模様が彫られています。 また5連ブレスレットで真ん中左右の2本だけを鏡面仕上げにしているなど、細かいこだわりがあります。
この、少しだけ手の込んだ文字盤とブレスレットが、目立たないけどちょっとだけきらびやか でとても良いです。
SBGX267は白文字盤のSBGX259の上位版のような位置づけだったようで、旧型のSBGX067(SEIKOロゴ)が2010年10月発売なので、10年以上販売されていたようですが、2021年にこれも生産終了。 2022年3月時点でもネット上には多少新品店頭在庫があるようですが、基本的にはもう新品はありません。 340,000円+税。
SBGX269(チタン)
ブライトチタンのSBGX267の色違いモデルです。 文字盤の色が違うだけかと思いきや、針とインデックスにゴールドがあしらわれています。 店頭でSBGX267(チタン・白)やSBGX261(黒)と見比べてみると意外とゴールドが嫌味ではないのですが、最初の一本としては避けた方が無難かなと思っちゃいました。
ただ、このモデルもSBGX267と同時に2021年にディスコンになったようで、グランドセイコーの37mmモデルが減りつつあり悲しいです。 これも2022年3月時点でもまだ一部の新品在庫はあるようで、340,000円+税です。
SBGA211(雪白・スプリングドライブ)
ちょっと系統から外れますがどうしても記録しておきたいのがこの「雪白」SBGA211です。
ゆきしろ、あるいはスノーフレークとも呼ばれる文字盤が特長です。
とにかく、新雪を表しているという真っ白なつや消しの繊細なテクスチャが最高です。
この文字盤を見て本格的にグランドセイコーが気になりだしました。。
ケース径40mm、スプリングドライブ、ブライトチタンのケースで620,000円+税。 このスペシャルサイトでは、漫画家の浦沢直樹さんがSBGA211を愛用しているとあります。
クォーツ式37mm径で雪白+青秒針のモデルがあれば最高です。 もしそんなのが発売されたら、追加購入不可避です。
というわけで、これまで書いたようなことを半年くらい楽しく悩みながら、最終的に2022年2月にSBGX267を買うに至ったのでした。
おまけ:SBGP011、SBGN013、SBGP003、SBGX261の違い
どれも黒文字盤です。
まずSBGP011/003とSBGN013はケース径40mm、SBGX261は少し小型の37mmです。
画像からは分からない?
よく見るとSBGX261は少し小さくなってますね。
SBGX061のデザインはほぼSBGP011と同じです。
SBGN013はGMT機能付きなので赤いGMT針がありますね。 少しお高いです。
SBGP011とSBGP003、これは少なくとも3カ所は違いがあります。
図示してみました。
ちょうどこちらのレビュー記事にそれぞれの実物写真があるので、ご参考にどうぞ。
ラグが斜めになっている具合も分かります。
いやー微妙な差ですねえw
<2022.03.14更新:商品画像の引用方法を変更>