Thinkpad T14 Gen1 発売
2020年2月くらいから発売予定のニュースになっていた新型Thinkpad Tシリーズが、2020年5月に発売されました。 モデルナンバーのネーミングルールが変わり、 Thinkpad T14 Gen1 となっています。 T490の次の数字が無いですからね。 AMD Ryzen CPUのモデルは「T14 Gen1 (AMD)」ですね。
私は引き続き2018年モデルのT480を快適に使っているのですが、昨年のT490と同様、T480使いの目線でスペック比較記事を書いてみようと思います。
ついでに、先月購入したThinkpad E495 も比較の俎上に載せてみます。T14 Gen1 はインテルCPUのモデルを比較対象にしていますが、E495はAMD Ryzen CPUのモデルです。
ちなみに昨年のT490についての記事はこちら↓
いきなり結論
最初に書いてしまいますが、T480使いの私の目線で見る Thinkpad T14 Gen1 の評価はこうです。
結論:
T14はT490のマイナーチェンジ。価格と新しさ、どちらでもお好みで。
でもそもそもTシリーズがだんだん存在意義が薄れているので、高品質ディスプレイが必須でないならEシリーズでもいいかも。
ソースは?
今回はT480をベースにThinkpad T14 Gen1(インテルCPU)とおまけでThinkpad E495 のスペックを比較していますが、その元ネタはこちらです。
Lenovo PSREF (Product Specifications Referense)
サイトで機種名の一部「T14」を入力するとサジェスチョンが出てくるので適当に選択して…
「Specification」をクリックでPDFの仕様表が現れます。
ただし仕様表にはあってもLenovoの販売サイトでは選べない仕様があったりします。
T480とT14 Gen1、さらにE495の比較表
Thinkpad T480 と T14 Gen1 の主なスペックについて比較表にしました。 さらに今回価格帯が異なりますが E495 も比較表にしています。
赤文字 は優れているところ、 青文字 は劣っていると思われるところです。
CPUなど、一番スタンダードなチョイスを 太字 にしています。
以下、個別にコメントしていきます。
サイズ、重量
T14 Gen1 は2019年モデルの T490 からサイズは変わりません。T480より1cm薄いです。 ちなみに E495 は少し重く、T480 より2cm厚いです。往年のTシリーズみたいな感じですね。
メモリ
T14 Gen1 はT490から引き続き、オンボード+1スロットの構成になっています。 このオンボードってのが辛い んですよねえ。オンボードはオーダー時に8GBか16GBを選択する必要があり、8GBにすると拡張性が犠牲になり、16GBだと後から増設するより少し高くつきます。DDR-2666になりましたが、たぶん体感では性能差は分からないです。
E495 は T480 と同様、素直な2スロット構成で交換・増設Welcomeです。
ストレージ
これも T14 Gen1 は T490 と同様、デュアルストレージ構成が出来ないです。
対して E495 は高速な M.2 2280 NVMe SSD と安価な 2.5" SATA SSD の2ドライブ構成ができるので、E495 実は最強だったりします。 つまりストレージの拡張性としては E495 > T480 > T14 Gen1 なんですよねえ。
ディスプレイ
T14 Gen1 では高品質なディスプレイがWQHDから4K UHDになりました。 500nits、Adobe 100%、Dolby Vision対応で X1 Carbon Gen8 と同じスペックです。これは素晴らしいです。 ただ、惜しいことに アンチグレアじゃないんですよねえ。
FullHD でも T480 のWQHDディスプレイ以上の鮮やかさのものを選択できます。たいていの人はこれを選べば幸せです。T14 Gen1 のディスプレイはThinkpadとしてはかなり頑張ってます。
E495はディスプレイの選択肢は乏しいですが、 FullHD IPS液晶を選べるだけでも良しとしましょう。
バッテリー
T14 Gen1、E495とも内蔵のみです。実用上のデメリットはハングした時にバッテリー取り外すという強制手段が取れないくらいですかね。
インターフェース、その他
T14 Gen1 は T490 と変更なしです。SDカードスロットがなくmicroSDカードスロットというのが個人的には悲しいです。 E495もmicroSDカードスロットなのです。筐体が大きいんだからSDカードスロットにしてくれればいいのにぃ。
なお、E495はSIMカード、NFC、キーボードライトなんかがありません。このへんは廉価モデルなのでしょうがないですね。ただし電源が上位モデルと同じく USB Type-C というのがなにげに素晴らしいです。
T14 Gen1で変わったところ(結論)
Thinkpad T14 Gen1 は2019年モデルの T490 のマイナーチェンジです。 筐体もたぶん同じで、CPUとディスプレイがちょっとグレードアップしたくらいの違いです。 なので、結論はあまり変わらず、だいたい昨年の記事と似たような感じですね。
より軽量・薄型志向になった。
T490と同様、軽くコンパクトになり、その分拡張性を犠牲にしており、モバイルノートのX1 Carbon に近いキャラクターになっています。 賛否両論だと思いますが、堅実、高コスパでデスクトップ用途でも快適に使えるTシリーズという存在意義が薄れてきているように感じます。
- T480までのTシリーズ
- T4xx:堅実な性能、高コスパ、高い拡張性、重量は2kg前後だが高品質でとにかく堅牢。
- T4xxs (sあり):T4xxより軽く持ち運びも可能。質感と堅牢性も保っているが少しだけ拡張性に劣る。
- T490、T14 Gen1
T14 Gen1 で変わっていないところ
Thinkpad は伝統的にキーボードが素晴らしく、特にTシリーズは最高オブ最高でした。
そんなTシリーズも、T430(2012年)で伝統の7列キーボードから6列アイソレーションキーボードとなりましたが、それでも引き続き高評価のキーボード、これはT14 Gen1 でも変わっていないと思います。 ちなみに15インチモデルはおすすめしません。テンキーがあるためキーボードが左に寄っちゃうのと、Enterキー周辺のキーが狭くなっているんです。
そして最も大事な変わっていないところ、質実剛健で適度なサイズに適度な性能、適度な価格、そして自分でパーツ交換して長く使えるという実は探すとなかなかないちょうどよいノートPC、これが変わっていないのが一番良いところですね。
ですが…
EシリーズはTシリーズの系譜を継ぐのか
さて、先月 Thinkpad E495 を購入して以来、これまでのTシリーズが持っていた美点を E495 が持っていることに気づきました。 つまりThinkpadらしいキーボードとか、拡張性とか、メンテナンス性とか、必要十分な性能、といったものです。
そして、「あれ?Eシリーズでもいいんじゃね?」とちょっと、いやかなり思っちゃいました。
実際、宅内モバイルという自分の用途では E495 は T480 に対してほとんど遜色ないです。 負けてるのは液晶ディスプレイの鮮やかさが一段劣るのと、SDカードスロットがないことくらい。 かなり気に入って使っています。
このままTシリーズがモバイルに寄っていくと、何年後かにT480の後継機として購入するのはEシリーズになっているかもしれない、というお話でした。
最後に E495/Eシリーズ のまとめです。
- E495 とEシリーズ
(2020/7/5 E495でも指紋認証は選択可能なため文言修正)