Thinkpad T480 のSSD換装続き
前回からの続きでThinkpad T480 のSSD換装作業です。
新しいSSD(WD Blue SN500 NVMe 500GB)を取り付けた後の作業です。
SSD換装作業の詳細(続き)
4. システムリストア(復元)
背面パネルを元に戻したらシステムリストア(復元)をします。
あらかじめ作成しておいた EaseUS Todo Backupのブータブルメディアで Thinkpad T480 を起動します。 電源ON後のLENOVOの画面でF12を押すことでUSBメモリからブートできます。
EaseUS Todo Backup が起動してくるので、[参照して復元]から外付けHDD上のバックアップデータファイル(*.pbd)を選択すると、
元のSSDのパーティションの内容が表示されます。ディスク(SSD)全体が復元対象です。
復元先に内蔵SSDを指定。さらに[高度なオプション]で[SSDに最適化]にチェックを入れました。
なお、バックアップ時にセクタバイセクタとしているので[セクタバイセクタ復元]もONになっています。
復元実行直前の画面です。C: Windows のパーティションを拡大したいのですが、ここでは出来ませんでした。
Windows10ではあとからでもパーティションサイズを変更できるので、ひとまずこのままリストアします。
リストアの処理時間は3時間かからないくらいでした。
5. Windows10起動後のパーティションサイズ変更
Windows10には標準でパーティションサイズの変更ができる機能があるのですが、T480の場合「C: Windows」のパーティションの隣にリカバリ用パーティション「WinRE_DRV」があるため、C: Windowsを拡張できません。
そのため、パーティション操作のツールである EaseUS Partition Master 13.5 を使うことにします。 これもFree版があり、今回の用途にはこれで十分でした。ありがたいことです。
https://jp.easeus.com/partition-manager-software/
以下、手順です。
EaseUS Partition Master を起動しました。
画面下部を見ると、「C: Windows」パーティションの隣にリカバリ用パーティション「WinRE_DRV」があり、C: Windows を拡張できません。
WinRE_DRV を右クリックして、[サイズ調整/移動]のメニューを選択します。
WinRE_DRV をドラッグしてWinRE_DRV をストレージの右端、つまりストレージの最後尾に移動させます。
WinRE_DRV をストレージ最後尾に移動したことで、C:Windows の隣は未割り当て領域となり拡張余地ができました。
今度は C: Windows を右クリックして、[サイズ調整/移動]のメニューを選択します。
●をドラッグして C:Windows パーティションを目一杯拡げます。
237.23GBだった C:Windows は、464.51GBとなりました。 要した時間はほんの2~3分です。昔に比べたらパーティション操作も楽になりました…。
SSD換装完了
これでSSD換装は完了です。
空き領域も296GBとなり、しばらく空き容量に悩まされずにすみます。
ベンチマークを取ってみました。
Seq-Read が1700MB/sを超えているなど、カタログ通りの性能が出ているようです。
また、PCの動作自体も劇的にスピーディになりました(後述)。
補記
めでたくSSDの換装は完了したわけですが、4点ほど補記しておきます。
補記1:SSDの速度について
SSD換装前、C:の残り容量が10GBを切っており、T480はレスポンスが目に見えて悪くなっていました。 購入当初は10秒以内だったサスペンドからの復帰に20秒くらいはかかっていたと思います。
SSD換装後、あきらかにレスポンスが良くなりました。サスペンドからの復帰やアプリの立ち上げがサクサクです。
この理由は換装後のSSD(WD Blue SN500 NVMe)が高性能というわけではなく、 おそらく空き領域が十分になったことが影響している と思われます。
現在主流のTLCやQLCと言われるSSDでは、書き込み速度をかせぐために「SLCキャッシュ」という技術を使っています。空き領域を書き込みの速いSLC(Single Level Cell)として利用し、書き込み時キャッシュ領域として使うのです。 SLCキャッシュは空き領域を使うので、空き領域が減るとキャッシュサイズも減ってしまい、パフォーマンスが落ちるというわけです。
まあレスポンス低下の原因はこれだけでは説明できませんが、とにかく換装後は早くなったので良しとしましょう。
補記2:リカバリ用パーティションについて
ThinkpadではD2Dリカバリのためリカバリ用パーティション(WinRE_DRV)があらかじめ準備されています。 今回、リカバリ用パーティションもまとめて新しいSSDに移したわけですが、システムリカバリのテストは行っていないです。面倒くさいので。
このリカバリ領域からうまくリカバリできるか不明ですが、今後もしシステムリカバリが必要な事態になった時には、純正のSSDに一時的に付け替えてリカバリをすることにします。
補記3:SSDのクローンをしないわけ
ネット上でSSDへの換装の実例を探すと、多くの方がクローンによって現在のシステムイメージを新しいSSDに移しています。 しかし今回私はクローンではなく、システムバックアップを別の外付けHDDに取り、リストアして新しいSSDに移行しました。
理由はなんてことはなく、NVMeのSSDをUSB外付けにするケースが高かったからです。 SATAのHDD,SSDのケースは1000円前後なのですが、NVMe(PCIe)対応のケースはAmazonで4000円程度なのです。SSD本体は7500円なのに4000円の追加出費はなあ。 そのかわりUSB外付けHDDなどが必要ですが、これはすでに持っていたので新たな出費は無しでした。
ただしその分手間はかかります。 手順を比較するとシステムバックアップ/リストア方式はリストアを行う時間の分、おおむね倍の時間がかかります。
クローンの場合
- 新しいSSDを外付け用ケースに入れ、USB接続。
- ツール(EaseUS Todo Backup Freeなど)でクローン。
- クローンしたSSDをPC本体に換装、起動。
- 換装後のSSDでWindows10が起動し、完了。
システムバックアップ/リストアの場合
- USB外付けHDDを用意。
- ツール(EaseUS Todo Backup Freeなど)でシステムバックアップ。Windows10標準の機能でもいけるかも。
- クローンしたSSDをPC本体に換装、リカバリ用メディアで起動。
- USB外付けHDDからシステムリストア。
- 換装後のSSDでWindows10が起動し、完了。
補記4:EaseUS Todo Backup Free でのバックアップ方法について
今回 EaseUS Todo Backup を初めて使ったのですが、評判にたがわず使いやすい良いソフトでした。
Free版でしたがSSD換装に必要な機能は揃っています。
※有償版と比較すると「USBのBootable Systemの作成」が×となっておりヤバいかもと思いましたが、ブータブルメディアの作成も問題なくできました。
ちなみに、購入したSSDにはAcronis True Image WD Edition の利用権が付いてくるのですが、なんかリリース日が古かったのでパスしました。2016年ってNVMeはあんまりないよね。
また、EaseUS Todo Backupがうまく行かなかったら Windows10 標準の回復ドライブとシステムバックアップを使うつもりでしたが、EaseUS Todo Backupで全然OKでした。
ただし最初は1回失敗しました。
メニューには「ディスク/パーティションバックアップ」と「システムバックアップ」があり、最初は「システムバックアップ」を行ったのですがリストア後のWindows10が起動せず。おそらくGPTとかUEFIブートとかの問題だと思いますが、「ディスク/パーティションバックアップ」でやってみたところあっさり成功したので詳細は不明です。
というわけでSSD換装をクローンではなくシステムバックアップ/リストアでシステムを移行する場合は、 EaseUS Todo Backupの「ディスク/パーティションバックアップ」 を使いましょう。
以上です。他の方の参考になりますように。